第2回サイエンスカフェ「がん細胞の特徴とがん化のしくみ」を開催!

公開日 2005年01月19日

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 3月17日、ビッグハート出雲で第2回サイエンスカフェ~くらしに身近な先端医療~(本機構・重点研究部門「健康長寿社会を創出するための医工農連携プロジェクト」主催)が開催された。 コーヒーを片手に医療を語る新しい形式での公開講座も2回目を迎え、今回は27名の市民が参加し、「がん」をテーマに講演と意見交換を行った。
 当日はコーヒー・クッキーを飲食しながら、リラックスした雰囲気の中、公開講座がはじまった。  島根大学医学部生命科学講座・本間良夫教授は「がん細胞の特徴とがん化のしくみ」と題した講演で、がん細胞とはどんな細胞か??がん細胞と正常な細胞の違いは??などの疑問や、がん化のメカニズム・がんの予防や治療についてわかりやすく説明を行った。
 がんは正常な細胞の遺伝子に傷がつくことによってできるが、遺伝子に傷がつく原因としてDNA複製のエラー(遺伝情報複製時の読み違え)や化学物質によるDNAの変異がある。一度遺伝子に傷がついたがん細胞は、分裂するたびに傷ついた遺伝子を持つがん細胞をつくり、どんどん増えていく。これまでの治療では、がん細胞を無差別に殺す方法が主流であった。しかしながら、たとえがん細胞であっても、ある環境下では正常細胞のように振舞うことがわかり、がん細胞を正常細胞に変えるという新しい治療方法が考えられた。この治療方法は「がんの分化誘導療法」と呼ばれている。白血病細胞をビタミンAにより正常細胞に変えるという本間教授自身の研究を紹介し、このような新しい治療法についても理解を深めた。また、「がんを防ぐための12ヵ条」により、日常生活の中でのがんの予防法を学んだ。

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 参加者からは、「雰囲気が良かった」「わかりやすく有意義だった」などの意見があり、とても好評であった。
 また、いろいろながん予防法や治療法についての質問、病院や日本の医療システムに対する要望(特に病気の治療薬や治療法についての一般市民への情報提供)、さらに次回のサイエンスカフェの内容についての要望が参加者から寄せられた。