島大サイエンスカフェ「島大発の特撰新食材!極辛・旨味の『出雲おろち大根』」を開催しました。

公開日 2006年01月30日

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 さる2月22日木曜日、松江市立川津公民館(国際交流会館)にて本学「プロジェクト研究推進機構-健康長寿社会を創出するための医工農連携プロジェクト-」主催の島大サイエンスカフェが開催された。 今回で7回目を迎えたサイエンスカフェのテーマは「島大発の特選新食材!極辛・旨味の『出雲おろち大根』」というもので、講師は本学生物資源科学部小林伸雄助教授であった。 「試食付き」ということもあって、同公民館の2階調理室を会場とし、約20人の参加者を交えて終始和やかな雰囲気の中で行われた。 3年前に本学へ赴任した同助教授は、「出雲産の新しい農産物を作り出す」ことを目標に県内各地を渉猟した結果、河岸や海岸地帯に自生する野生種ハマダイコンと出会った。学生と共に試食したところ、「市場のダイコンには無い辛味と旨味がある」ことを確認し、 本学の圃場を使用して、「辛味成分であるイソチオシアネートの含有量が高く、しかもおろしやすい太さになる」ものを選別し、新たな辛味大根を作り上げた。辛味大根は京都産が有名であるが今回紹介された「出雲おろち大根」も辛味や旨味ではけっして負けてはいない。 イソチオシアネートには殺菌作用等の優れた機能性があり、本品種は青首だいこんの3~5倍も含有することが分かっている。 ヒゲ根の発達した形状は「八岐大蛇(やまたのおろち)」を彷彿させ、また「おろし大根」と語感が似ていることから、同助教授により「出雲おろち大根」と名づけられた。
 以上のような経緯(いきさつ)を拝聴後、いよいよ試食会が始まった。まずは参加者に配られた大根を各自でおろしていただき、それをうちたてのそばにたっぷりかけて、薬味としての実力を参加者各々が自らの舌で確認した。 参加者からはその辛さに対する驚きの声とそばの美味しさを十二分に引き立てる薬味としての優れた点に納得した様子だった。  さらに、同助教授が津田カブをもとに作り上げた新たな菜やおろち大根の味噌漬けの試食もあり、四方八方から飛び出す質問に、同助教授は調理室内を独楽鼠のように動きながら丁寧な説明を行っていた。参加者の皆さんは試食するだけでなく、多くの方が熱心にメモを取るなど、関心の高さが感じられた。散会後多くの方がダイコンのサンプルを1本ずつ持ち帰っていった。

 【写真:自ら「出雲おろち大根」をおろしながら,参加者に説明する小林助教授(松江市立川津公民館調理室にて)】