島大サイエンスカフェ「メタボリックシンドロームにつながる食事脂肪、つながらない食事脂肪」を開催しました。

公開日 2006年01月30日

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 3月16日(金)、松江市において、島大サイエンスカフェ「メタボリックシンドロームにつながる食事脂肪、つながらない食事脂肪」が、横田一成生物資源科学部教授を講師に開催された。
 今回は、食品脂質には、多用な脂肪とその関連物質があり、食品脂質の量と質は、内臓脂肪型肥満が原因でおこるメタボリックシンドロームの発生や予防に密接に関係するが、必ずしも食事中の総脂肪含量と発病リスクの高低とは関係ないことを説明し、健康における食品脂質のいろいろな役割について紹介した。
 同教授は、食品脂質は生体内において「貯蔵脂質・構造脂質・生活活性脂質」の三大機能を担っていることや、摂取した糖質や脂質(脂肪)はエネルギー源として重要であるが、取り過ぎると中性脂肪(トリアシルグリセロール)として脂肪細胞に蓄積し肥満になることを述べた。肥満のタイプには、リンゴ型の上半身肥満と洋ナシ型の下半身肥満が存在し、両者の脂肪細胞の性質は異なることを説明した。また、食事脂肪の構成成分のうち、肉類やバターなどの動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やマーガリンに存在するトランス脂肪酸が、動脈硬化の引き金となり心臓疾患のリスクを高める生体の仕組みを解説した。 対照的に、オリーブ油を主に用いる地中海式の高脂肪食は健康的であるという。
 脂質(脂肪)といっても、種類によって働きは様々であるという同今教授の詳細な説明に、参加者は聞き入っていた。

【写真:様々な脂質の働きに耳を傾ける参加者たち(中央:横田生物資源科学部教授)】