世界初!酸化亜鉛薄膜の量産対応装置を開発 -酸化亜鉛を使った青色発光ダイオード作製に革新-

公開日 2007年01月31日

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 本機構「S-ナノテクプロジェクト」の藤田恭久総合理工学部准教授は、安価な青色発光ダイオード(LED)材料として期待されている酸化亜鉛薄膜の量産対応装置「酸化亜鉛系薄膜成長用MOCVD装置」を、独立行政法人科学技術振興機構、古河機械金属株式会社、日本パイオニクス株式会社と共同開発した。 なお、酸化亜鉛単結晶薄膜の本格的な量産装置の開発は世界初となり、蛍光灯や電球に変わる低コストで明るい次世代照明装置の登場に大きく貢献するものである。
 青色発光ダイオードは、現在、主に窒化ガリウムを材料としているが、新材料として従来コストの10分の1で高品質な発光を可能とする酸化亜鉛が大きな注目を集めている。しかし、発光ダイオードに必要な良質な酸化亜鉛単結晶薄膜を量生することは難しいとされてきた。このような状況の中で、同准教授は、イソプロピルなどのアルコールを原料ガスとした独自の薄膜製造法を開発し、高品質な薄膜を作ることに成功した。そして、この度、共同研究企業の量産装置製造技術、原料ガス供給技術、排ガス処理技術が組み合わされ、本装置の開発となった。
 今後は、本装置を用いた単結晶薄膜応用技術の開発と装置の事業化に取り組んでいく。

【写真:酸化亜鉛薄膜用MOCVD装置】