島大サイエンスカフェ「花の魅力・多彩な色ができる仕組み」を開催しました。

公開日 2007年01月31日

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 10月4日(木)、島大サイエンスカフェ「花の魅力・多彩な色ができる仕組み」が松江市立城東公民館で開催され、約30名が参加した。 講師の中務明生物資源科学部准教授は、花の色の仕組みや性質などを、実験を交えながら参加者に分かりやすく紹介した。
 まず始めに、中務准教授は、花の多彩な色を構成する主な色素の種類として、①カロテノイド(赤・オレンジ・黄)、②フラボノイド(フラボン類・・・黄、アントシアニン類・・・オレンジ・ピンク・赤・紫・青)、③クロロフィル(緑色)、④ベタレイン(赤)を紹介。 そしてこれらの色素は、花弁全体では、表皮のみ、あるいは表皮にごく近いところに分布していること、さらに一つの細胞では、水に溶けにくいカロテノイドはプラスチドと呼ばれる細胞の外側部分に、 水に溶けやすいフラボノイドは、液胞と呼ばれる内側部分に存在し、花の色を表現していることを説明した。
 また、色素の種類と色の見え方は、色素にOH(水酸化イオン)がいくつ含まれるかで決まること、花の色を決めるのはその植物自身が作れる色や環境によって違いが現れることを紹介した。 このうち、環境の違いで色が変わる分かりやすい例として、アジサイが挙げられ、土壌pH(水素イオン指数)の状態が酸性かアルカリ性かで花色が変化することを説明した。 この他、花の色にまつわる研究として、既存の花色と異なる花を咲かせる技術開発の実情が紹介され、参加者は興味深く聞き入っていた。

【写真:色素の性質を実験によって確かめる参加者(中央:中務明生物資源科学部准教授)】