山陰・島根ジオパークシンポジウムを開催しました。

公開日 2007年01月31日

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 12月21日(金),山陰・島根地域の地質遺産を利用したジオパーク(自然公園)設立について考える「山陰・島根ジオパーク」シンポジウム(主催:「石見銀山をはじめとする山陰地域地質資源の総合資源化に関する研究」)が, 本学総合理工学部多目的ホールにおいて開催された。
 ジオパークとは,科学的に見て特別に重要で貴重な,あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園のことを指し,地質遺産の保全,地球科学の普及の利用,さらに地質遺産を観光の対象とするジオツーリズムにより地域社会の活性化を目的としている。
 現在,ジオパークは世界各国で推進されており,2004年に設立された世界ジオパークネットワークには,53ヶ所のジオパークが登録されている。しかし,日本では,未だ一つの登録も実現されておらず, この現状を受けて,今回日本初のジオパーク設立及び登録を目指し,産官学一体となった山陰・島根ジオパーク構想を進めることを目的にシンポジウムが開催された。
 シンポジウムでは,はじめに,高安克已学術国際担当副学長から「日本初のジオパーク設立に向けて,活発な意見交換と議論を期待します。」との挨拶があり,その後,赤坂正秀総合理工学部教授より,シンポジウム開催の趣旨説明があった。
 そして引き続き,産業技術総合研究所・渡辺真人氏の基調講演「ジオパーク ―ジオと人の歴史から未来を考える場―」,山陰・島根の地質遺産と題して、(1)石見銀山をはじめとする地質資源(総合理工学部教授・赤坂正秀),(2)三瓶山と中海・宍道湖(三瓶自然博物館・中村唯史), (3)隠岐島前・島後(総合理工学部・澤田順弘)の3題の講演等が行われ,最後には活発な総合討論が展開された。
 今回のシンポジウムでは,島根県における豊かな地質遺産の価値を再確認すると共に,産官学の様々な立場からジオパークについて考える良い機会となった。