低カリウムメロンの試食会を開催しました

公開日 2012年02月14日

 島根大学「崩芽研究部門」研究プロジェクト「低カリウムメロンの安定生産と医療施設での利用」(医学部附属病院:川口喜美子 臨床栄養学部副部長、生物資源科学部:浅尾俊樹 教授(代表)・上野誠 准教授、産学連携センター:丹生晃隆 准教授、東京農工大:伴琢也 准教授)の一環として、厳しい食事制限を強いられている人工透析患者など腎臓病患者向けに開発した「低カリウムメロン」の試食会を7月31日(火)に開催しました。開催にあたっては、松江、出雲両市の病院から管理栄養士の方々にもご参加いただき、医学部附属病院で行いました。今回のメロンは養液栽培の培養液中カリウムを濃度管理から必要な量だけ与える「量的管理」に換え、カリウム含量54〜134%(食品成分表値340mg/100gFWと比べて)のメロン13個を準備しました。  
 参加者には事前にカリウム含量を知らせず、食べ比べをしてもらい、アンケート調査にもご協力いただきました。甘み、えぐみ、みずみずしさ、全体評価の4項目について4段階の得点で評価を行ったところ、甘み、みずみずしさは低カリウムメロンの方が好評でした。最も高得点であったメロンのカリウム含有量は66.5%で、全体的にはカリウム含有量の低いメロンが美味しく食べやすいことが明らかになりました。患者向けと同時に「家族も一緒に食べられる低カリウムメロン」の開発にも繋がっていることを感じた試食会でした。また、実際に透析患者に指導を行っている栄養士の方からは、施設で患者に提供したい、あるいは是非この明るい情報を患者に伝えたいという声が上がっていました。  
 本研究プロジェクトでは、低カリウムメロンの生産と産学連携による実用化に向けて、今後も活動を続けて参ります。

医学部附属病院での低カリウムメロン試食会(平成24年7月31日)