島大サイエンスカフェ「食事で防ぐ認知症」を開催しました。

公開日 2006年01月30日

島大サイエンスカフェ「食事で防ぐ認知症」(主催:健康長寿社会を創出するための医工農連携プロジェクト)が1月23日(火)、松江市のくにびきメッセで開催され、約100人が参加した。
 今回は、医学部橋本道男助教授を講師に迎え、最近の調査でアルツハイマー病でも長年の食生活が影響する事がわかってきたこと、その学術的根拠と背景、認知症を予防するための食生活を紹介した。
 同助教授は、島根県で行われた調査から、魚を中心とした食事を継続的に行ってきた人は認知機能の改善が見られると報告。認知症患者に魚80-90g(1日最低1回)、緑黄食野菜を1日350g以上摂取するなどの栄養介入を行った場合でも、症状の回復がみられたり、悪化を防ぐことができた報告を紹介。食習慣から認知症の発症や症状に変化があることを説明した。
 また、同助教授を中心とした研究チームは、青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸=DHAが脳の神経幹細胞を再生する効果をもつことを動物実験で確認したことも紹介し、昨年、これをもとに、認知症などの脳疾患に効果のある治療薬を東京の製薬会社と共同で開発し、注目を集めていることを紹介した。
 当日は、関心の高い一般市民の人々が多数訪れ、メモをとるなど、熱心に聞き入っていた。

食週間で防ぐ脳の病気-5つのポイント-
1.水分を摂る(1日、1.5ℓを目標に)
2.野菜を多く摂る(1日、350g以上)
3.総カロリーを抑える。腹八分目
4.甘いものを控える
5.魚を多く摂る(1日、80-90g=1匹は必ず摂る)