公開日 2006年01月30日
汽水域国際シンポジウム2007「汽水域の再生とその持続可能性―宍道湖・中海の賢明な利用に向けて―」が1月27~28日、松江市のくにびきメッセにおいて開催された。
シンポジウムは、宍道湖・中海の保全・再生と賢明な利用に向けての活動や調査を進めている様々な主体が一同に会し、 これをきっかけに汽水域の保全・再生と賢明な利用のための共同を進め、さらには島根・鳥取両県の一層の連携が深まることを目的とし、 海外の汽水湖の再生の事例や、本機構の「汽水域の自然・環境再生研究拠点形成プロジェクト」の研究成果のほか、企業やNPOなどが活動報告を行った。
27日は、海外の汽水湖再生事例として、アジット・パイナイク前チリカ開発公社代表(インド)「湖と沿岸域のプロセスと地域住民の活動を統合した沿岸域ウェットランドの再生と持続的な管理―チリカ湖の事例―」、 チャンチャイ・タナヴッド ソンクラー大学準教授(タイ)「ソンクラー湖における土地利用の変化とその影響」、 カリン・ロジャース地質・核科学研究所チームリーダー(ニュージーランド)「ニュージーランドにおける広域の効果的な再生のための論点と指針の概要」の3講演が行われた。
また、後半には、「汽水域の自然・環境再生研究拠点形成プロジェクト」の研究報告が行われ、衛星リモートセンシングによる宍道湖・中海の環境観測結果とその技術、ヘドロの造粒化と覆砂としての利用など、多彩な研究結果が報告された。
この他、宍道湖・中海の植生湖岸や米子水鳥公園を巡ったり、28日には、企業の汽水域環境への取り組みや島根・鳥取両県の多用な主体による事例報告が行われ、シンポジウムは延べ400名を越える参加者を得て、盛況のうちに終了した。
プログラムの合間には、所属や国を超えて、宍道湖・中海の再生・保全についての情報交換や議論が盛んに行われ、有意義なシンポジウムとなった。