討論会「いま、中海(本庄水域)でなにがおこっているのか?」を開催しました。

公開日 2006年01月30日

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中海(本庄水域)の現状と将来について、研究者や市民、地元漁師が意見交換を行った 本庄水域や中海の再生について考える討論会「いま、中海(本庄水域)でなにがおこっているのか?」 (主催:島根大学汽水域研究センター・汽水域重点研究プロジェクト生態系モニタリングチーム)が、3月25日(日)、松江市で開催された。
 本討論会は、汽水域重点研究プロジェクト生態系モニタリングチームが行っている中海(本庄水域)の最近のモニタリング結果(途中経過)を話題提供として報告し、それらをもとに中海(本庄水域)をどのようにすればよいかの活発な意見交換行うことを目的に開催されたものである。
 話題提供では、汽水域重点研究プロジェクト生態系モニタリングチームが、2006年の広域調査の結果として、本庄水域では水質汚濁が進み、クロロフィルa量が中海の赤潮状態に匹敵する量を示していること、約10年前に多くの地点で観察されたホトトギスガイが見られなくなり、貧酸素化が進んでいることなどが報告された。また、このような状況を裏付ける地元漁師師さんからの情報提供もあり、「本庄水域は中海に比べよい環境である」との認識から、今や「本庄水域は決してよい環境ではない」との認識に変わってきている。
 後半の自由討論では、これらを踏まえ、本庄水域のあり方について活発な議論が行われた。来年に行われる森山堤開削については、規模が小さいことから、現在よりさらに貧酸素化が進むのではないかと懸念する発言があり、今後の生態系モニタリングの観測結果に注視し、対策をあらかじめ考えておく必要があるという意見で一致した。なお、今後もこのような会を開き、現状を伝えていくことが重要である。

【写真:中海(本庄水域の現状と将来について、研究者や市民、地元漁師が意見交換を行った)】
*本庄水域・・・中海の一部だが、中海淡水化計画時にできた堤防で仕切られた水域で、中海とは南西部の承水路でつながっているのみ