S-匠ナノメディシンプロジェクト終了報告会を開催しました

公開日 2010年02月13日

 平成23年3月10日(木),くにびきメッセにおいて,平成20~22年度島根大学プロジェクト研究推進機構重点研究部門は「S-匠ナノメディシンプロジェクト終了報告会―ベビーパウダーやデザートで新しい医療技術を―」を開催し,学内,行政,企業などから多数の参加がありました。島根大学の第2期重点研究である本プロジェクトは,第1期の「S-ナノプロジェクト」での研究成果をもとに,酸化亜鉛,ナタデココ,ハイドロジェル(ゼリー)などを材料にした,「安全」「安心」で簡易な独自のナノ医療技術の開発に取り組んできました。報告会では,これまで3年間にわたる研究活動の成果と今後の展望について発表を行いました。
 報告会では,柴田 均 プロジェクト研究推進機構長による挨拶の後,学外からお招きした宇理須 恒雄 氏(日本ナノメディシン交流協会会長)に「どこまでも小さくなる病気の原因との戦い-ナノメディシン-」をテーマに基調講演をいただきました。
 プロジェクトの研究成果については,本プロジェクトリーダーの藤田 恭久 教授が,酸化亜鉛を利用した可視化技術の開発,骨の感染治療においてナタデココを含んだ骨セメントが従来品よりも,強度において1.5倍,薬の放出量については有効濃度が4倍持続する結果が得られたこと等を報告しました。更に,こうした研究成果の臨床
応用に向けて,森 隆治 准教授(プロジェクト研究推進機構)が,発展途上国におけるナノ医療の可能性とインド・ネパールにおける医療協力の現状について報告を行ないました。
 また,医学部の大谷 浩 副学長から本プロジェクトを通じた医理工農連携プログラムにおける人材育成についての報告があり,総括では小林祥泰 医学部附属病院長が「安く安全な材料を使った最先端技術を地域医療へ活用してほしい。」と期待を述べました。
 研究発表終了後には,同会場で「酸化亜鉛」「ナタデココ」「ハイドロジェル」「新規ナノ材料」「安全性評価」など各研究グループによるポスターセッションがあり,参加者と各研究グループの解説担当者との間で研究内容や成果について意見交換が交わされました。

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柴田 均 学術国際担当副学長
(プロジェクト研究推進機構長

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宇理須 恒雄 氏(日本ナノメディシン交流協会会長)

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プロジェクトリーダー 藤田 恭久 教授
(総合理工学部)

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森 隆治 准教授
(プロジェクト研究推進機構)

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大谷 浩 副学長(医学教育・研究担当) 

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小林 祥泰 医学部附属病院長

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各研究グループのポスターセッション