ナノメディシン国際シンポジウムにおいて若手研究員3名が招待講演しました

公開日 2016年02月14日

 平成28年11月24日(木)~11月26日(土)に産業技術総合研究所(つくば市)で開催された日本ナノメディシン交流協会他主催の10th International Symposium on Nanomedicineにおいて,島根大学の若手研究者3名の招待講演を含め4件の研究発表を行い,重点研究「島根大学のシーズを活かした学際的新規医療技術開発拠点の確立」の成果を紹介しました。また,本シンポジウムではナノテクプロジェクトセンターの藤田恭久センター長が運営委員長として開催に携わりました。
 本シンポジウムのスペシャルセッション「光とナノメディシン」では総合理工学研究科の片岡 祐介助教が島根大学発のユニークなイリジウム錯体の合成技術について発表しました。この技術は生産性が高く,がん治療の光線力学治療など医療技術への応用が期待されます。


島根大学発のイリジウム錯体について講演する片岡助教

 医・生物ラマンプロジェクトセンターのHemanth Noothalapati助教は島根大学が臨床応用の研究で選考しているラマン分光法による診断技術を紹介しました。ラマン分光法は蛍光プローブなどを用いることが多かった医生物分野において,プローブ不要でレーザー照射部の生体内の分子の情報まで読み取れる革新的な技術として注目されました。


ラマン分光の医生物応用について講演するHemanth助教

Lin助教は招待講演と座長を務めました

 ナノテクプロジェクトセンターのLin Jie助教は酸化亜鉛ナノ粒子と金属ナノ粒子内の電子と光の相互作用を組み合わせて近赤外線を可視光に変換する技術について発表しました。これは細胞の3次元構造の解析に用いられる2光子顕微鏡の効率を飛躍的に高める技術に繋がります。
 また,医学部との学際的な研究を行っている総合理工学研究科理工・医連携コースの学生がラマン分光法による病理診断におけるがんと正常細胞の識別の研究について報告しました。
 これらの若手研究者の活発な活躍は,島根大学が基礎から臨床応用まで学際的な共同研究を行う重点研究プロジェクトやプロジェクトセンターにより研究活動の活性化や人材育成の成果の表れであると考えられます。


医学部との共同研究について発表する総合理工学研究科の大学院生