公開日 2017年12月07日
(開会式の様子)
平成29年11月3日(金)と4日(土)に,出雲産業未来博実行委員会及びNPO法人21世紀出雲産業支援センター主催,出雲市共催,島根大学等の後援で出雲市矢野町の出雲ドームにおいて,いずも産業未来博2017が開催されました。
このフェアは,昨年まで開催されていた「出雲産業フェア」がリニューアルされたイベントです。出雲市の企業・団体の製品・技術・研究内容や,全国の先端技術・製品を一堂に集め,出雲の産業の魅力を<見て><触って><体感する>ことによって広く情報発信を行い,さらには未来の産業を担う子どもや学生など若者と,地元企業・団体とのマッチングする場を創出することで将来の雇用確保と定住促進を図ることを目的に開催されました。
島根大学からは,産学連携センター地域医学共同研究部門,総合理工学研究科機械・電気電子工学領域機械設計研究室,ナノテクプロジェクトセンター,農林水産業の六次産業化プロジェクトセンター,たたらナノテクプロジェクトセンターが出展し,開発した技術や研究取組みの紹介を行いました。
■産学連携センター地域医学共同研究部門
出雲キャンパスからは「やさしい医工連携」研究開発医療機器(5テーマ)を出展しました。研究開発医療機器の展示の他,開発に携わった企業の技術体験ができるブースにし,多くの来場者が訪れました。
当部門は14年連続で出展しており,共同研究の成果を積極的に地域社会へ発信しています。出展テーマの1つである「点滴針固定アームバンドの開発」は, 重点研究部門プロジェクトで進めているICT技術を活用した研究テーマでもあります。また,医学部医学科1年生(2名),出雲西高校生(4名)も,両日ブースで展示説明し,交流を深めながら産学連携の重要性を肌で感じました。なお,高校生がブース展示に協力するのは初めての試みです。
【出展テーマ】
『看護・介護の場面をやさしく照らす次世代型LEDライト』
医学部附属病院看護部,産学連携C(地域医学),Doライト㈱,㈱島根富士通
『点滴針固定アームバンドの開発』
医学部附属病院看護部,産学連携C(地域医学),㈲スリーケー,㈲ともみ工房
『ハンズフリー音声認識記録システムの研究開発』
医学部救急医学,産学連携C(地域医学),テックシロシステム,山陰制御
『折り畳み式簡易採血台の開発』
医学部附属病院検査部,産学連携C(地域医学),出雲木工㈱,㈱テクノメディカ
『金属異物回収において高成功率をもたらすマグネット鉗子の開発』
医学部附属病院消化器内科,医学部看護学科,キシエンジニアリング㈱
医学科生によるLEDライトの展示
出雲西高校生によるマグネット鉗子の展示説明
産学連携センター地域医学共同研究部門
■総合理工学研究科機械・電気電子工学領域機械設計研究室
機械・電気電子工学領域,機械設計研究室にとって三年ぶりのいずも産業未来博への出展となりました。
研究室全員(院生2名と学部生5名)がこの出展に参加しました。二日間にわたり学生が約60名の来場者に機械設計に関する最新研究成果や基本知識を熱心に解説しました。「島根大学でこのような研究も行われていて,びっくりしました。島根大学と研究交流を深めたいので,是非一度弊社に来てください」との会社役員からのコメントもありました。今回の出展は学生にとってよい経験と勉強になりました。
■ナノテクプロジェクトセンター
「抗菌,消臭,防汚など健康維持に重要な高機能繊維」,「液中レーザープロセスによりナノ・マイクロ材料」,「地面,建物,車などを冷却する放射冷却材料」,「熱を電気エネルギーに変換する熱電変換材料」,「層状化合物を用いた呼気診断技術」,「ポータブルレーザーラマン分光装置による血痕の検出」,「ラマン分光法による新規診断技術」,「ベビーパウダーを塗布して簡単につくれる紫外線発光ダイオードや薄膜トランジスタ」など,ユニークな技術を紹介しました。特にナノテクの身近な応用について高い関心が見られました。また,学生が企画した工作(地域企業が開発したパステルカラーのLEDを使用)は、多く子供連れの来場者の人気をあつめました。
ブースは常に盛況で,2日間で数百人の来場があり,科学技術の面白さや理科教育の重要さを伝えることができました。
■たたらナノテクプロジェクトセンター
プロジェクトセンターの教員の研究をパネルで紹介しました。原子を球で積み重ねたモデルを使って結晶のイメージを伝えました。キネティクスサンドを使った体験学習を行いました。
■農林水産業の六次産業化プロジェクトセンター
島根大学発ベンチャー「農の郷」の紹介とアイメックトマトの展示,出雲おろち大根のドレッシング‘みぞれソース’,エゴマ関連商品,西条柿を使った悪酔い防止ドリンクの‘晩夕飲力’,島根大学の焼酎‘神在の里’および試作のシャインマスカットワインなどの他,研究紹介ポスターを出展しました。生物資源科学部の学生6名の他,医学部からバングラディシュの留学生1名も参加し,このブースでは学生が中心となって説明を行いました。多くの方が興味を持ち、色々な質問があり,島根大学の六次産業化への取り組みを発信しました。
また,試作品について今後の卒業論文の研究にも参考になるようなアドバイスも頂き,参加した学生にも有意義な2日間となりました。