医・生物ラマンプロジェクトセンターの公開講座が開催されました

公開日 2014年02月14日

 本学のCOC事業の一環として,医・生物ラマンプロジェクトセンターによる市民向けの公開講座が,去る平成26年8月31日(日)の午後,出雲市パルメイトにおいて開催されました。公開講座は,「胃腸の内視鏡検査はここまでわかるようになった!今後はもっとわかるようになる!!」と題し行われました。午後1時の開始時間前には,会場は66名の参加者で満員の盛況となりました。司会の木下教授の軽妙な解説の下,3人の講師陣の紹介から公開講座は始まり,本学の最新の研究成果や今後の取り組みなどが報告されました。

 最初の講演は,医学部附属病院・光学医療診療部・副部長の結城崇史先生による「カプセル内視鏡はここまで進んだ!どこでも見えるの?」で,小腸用と大腸用のカプセル内視鏡がどのようなものか,そしてどんな風に腸の中の写真が写るのかという分かり易い解説がされました。結城先生のお話では,1回の検査で5万枚にも及ぶ腸内写真が撮影されるそうで,その中から,腫瘍や出血箇所を見つけるためには,忍耐強く注意力を保ち続けることが必要であるとのとでした。

 続いての講演は,医・生物ラマンプロジェクトセンター長(生物資源科学部教授兼任)の山本達之先生による,「未来を開く光、ラマン光を解説する。ラマン光とはどんなにすごい光なのか?」という話題でした。ラマン散乱現象を発見した科学者ラマンを生んだインドと日本の親密な関係や,ラマン散乱光に原理に関する解説などがありました。ポータブルラマン散乱光測定装置もあり,食品の品質検査にラマン散乱光が使えるようになる可能性もあるそうです。

 3番目の講演は,医学部附属病院・消化器内科助教の大嶋直樹先生による,「ラマン光を用いた内視鏡では何がみえる。究極の胃カメラができる?」という話題でした。近年患者数が少しずつ増えているアレルギー性の食道炎の一種,好酸球性食道炎の診断の難しさが解説されました。木下教授と大嶋先生らが,山本教授らと共同で開発を目指しておられる,ラマン散乱光を用いた新しい診断技術の可能性関する解説もありました。
 3つの講演の後には,質問時間も設けられ,講演を聞いた参加者から講師の先生方に熱心な質問が寄せられました。

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医学部教授・木下芳一先生による
公開講座全体

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カプセル内視鏡に関する講演をする
結城崇史先生の司会の様子

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ラマン散乱光の原理に関する講演をする
山本達之先生

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好酸球性食道炎の診断に関する講演をする
大嶋直樹先生