石見銀山地域~島根半島の古熱水系における複合資源形成システムとたたら鉄資源
概要
かつて世界有数の銀鉱山として栄えた石見銀山の形成には熱水活動が関わっており、 また、石膏産出日本一を誇った旧平田市鰐淵鉱山に代表される海底熱水鉱床は、 日本が世界に発信してきたKUROKO(黒鉱鉱床)システムによって形成されました。そこでは黒鉱変質鉱物が複合して形成されており、 ゼオライト・セリサイト・モンモリロナイト等の変質鉱物は島根県に広く分布し県固有の地場産業として定着しています。 山陰地域は世界的にも貴重な金属鉱床および非金属鉱床のフィールドです。
本研究は、「近世以降、日本の産業を支えた石見銀山およびたたら鉄資源の自然科学的再評価を行い、その形成システムを明らかにする」ことを目的としています。 これらの資源開発は地域文化の発展とも密接に関係しているため、将来的には社会科学的見地からも検討を要します。 本研究では、まず、その基礎である自然史的価値を明らかにすることが「萌芽的研究」と位置づけられます。
具体的目標は以下のとおりです。
- 石見銀山の自然史を明らかにし、世界遺産登録を自然科学的見地からサポートする。
- たたら鉄資源の形成史と自然科学敵再評価を行う。
- 島根県の熱水活動による黒鉱変質資源形成システムを明らかにする。
- 地方自治体および産業界と連携し,資源評価および成果の取りまとめを行う。
石見銀山大久保間歩調査
石見銀山大久保間歩坑内
研究者紹介
プロジェクトリーダー
赤坂 正秀(総合理工学部・教授)
小室 裕明(総合理工学部・教授)
高須 晃(総合理工学部・教授)
Roser Barry P. (総合理工学部・講師)
亀井 淳志(総合理工学部・助教授)
大平 寛人(総合理工学部・助手)
連絡先
赤坂 正秀 TEL 0852-32-6455 E-mail akasaka @riko.shimane-u.ac.jp
*迷惑メール防止のため、@を全角で表記しています。