多機能ナノ/メソ空間材料創出プロジェクト

概要

 本プロジェクトでは、島根県でも産出する層状粘土の一種であるセリサイトに加え、比較的簡単な合成により得られるナノ/メソサイズの空間を有する素材の表面や空間を改質することにより多機能化素材の研究開発を進めるとともに、得られた多機能化素材を用いた医療用簡易診断デバイスの実現を目指します。
 これらの目標の実現のために、呼気中の特定化学物質の濃度変化を精密に検知できる素材の開発を目指し、特定の分子の吸着により高感度で発光変化を示す層状無機/発光性色素ナノハイブリッドや、細孔制御された多孔性被膜を施したGa添加ZnO(GZO)薄膜などの創製および特定分子吸着のための制御因子の解明について研究を進めます。この研究成果に基づき、糖尿病、高アンモニア血症検査などの代謝内科学分野や有機溶媒吸入の検査など法医学分野で利用可能な実用デバイスの実現を目指すと同時に、呼気中の化学成分と疾患との相関関係に関する調査研究も進めます。

     


 
     

研究内容

 本プロジェクトでは、簡易疾病診断法として近年注目されている“呼気診断”を実現できる材料・素子・デバイスの創出を目的とした研究を推進しています。

  1. イオン交換性無機層状化合物と環境応答を示す発光性色素および吸着場形成物質であ る界面活性剤を複合化することにより得られるハイブリッド材料を創製し、この素材へ の分子吸着の影響を明らかにし、特定分子を吸着検知できる素材の創製を目指します。
  2. 抵抗率が周辺湿度の影響を受けることが知られている透明導電体であるGa添加ZnOへ の湿度が与える影響を解明し、分子検知材料としての可能性を探ります。
  3. 糖尿病や腎臓・肝臓疾患の罹患患者の呼気に含まれる化学物質と疾病状態との相関を明らかにし、様々な疾病の診断を可能にする化学物質の特定を目指します。

研究者紹介(H27年度)

プロジェクトリーダー 笹井 亮(総合理工学研究科・准教授)

 藤村 卓也(総合理工学研究科・助教)         山田 容士(総合理工学研究科・教授)
 舩木 修平(総合理工学研究科・助教)         矢野 彰三(医学部・准教授) 

          
連絡先

  笹井 亮   TEL  0852-32-6402 E-mail  rsasai@riko.shimane-u.ac.jp 
                                 *迷惑メール防止のため、@を全角で表記しています。