重点研究部門・健康長寿_平成17年度の研究成果

平成17年度の研究成果

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骨表面の微細加工」 内尾祐司・大谷 忠
「神経再生剤」 (ドコサヘキサエン酸(DHA)による神経幹細胞の神経細胞への分化誘導促進効果(神経新生)を明らかにし、DHAを神経再生補助剤として開発した) 橋本道男

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「遺伝子組み換え操作を用いたγ-アミノ酪酸(GABA)強化米系統株の創出」 赤間一仁

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UBSスペシャルアワード医療・福祉部門賞(イノベーション・ジャパン2005) 「『骨には骨を!』マイクロファクトリーでやさしい手術」 骨加工部品創製チーム.

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大学発ベンチャー「アルプロン製薬」を起業 βグルカン製造

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着色した市販グルカン

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還元条件下で精製した純白の
βグルカン(ピュアホワイト)


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産学官共同研究、島根県特産西条柿「柿の実エキス」商品化 (株)クロレラサプライより発売

「柿の実エキス」のカプセル→ kakiekisu.jpg

主な研究成果

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  • 骨折治療において、手術中に患者からとった骨で傷に合わせた形のネジ固定具(骨製スクリュー)をつくる技術を開発しました。 この骨製スクリューによって動物手術が成功し、臨床試験開始のための研究を進めています。
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  • 2型糖尿病患者の背骨を調べたところ、骨密度がそれほど低下していなくてもその構造が弱くなっていることがわかりました。

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糖尿病

  • 食餌中の不飽和脂肪酸組成調整による発症予防の可能性を検討しました。
  • 糖尿病の合併症患者血液にメチルグリオキサルなどのジカルボニル化合物が多いことから、そこから発生する炭酸ラジカルにより生体組織に障害が生じる可能性を検証しました。 また、柿抽出液が著しくこの炭酸ラジカルの発生を抑制することがわかりました。

抗酸化性

  • コエンザイムQを作らない酵母は著しく酸化ストレスに弱いことから、コエンザイムQの抗酸化能が高いことが予測されました。

肥満

  • 肥満に関係する脂肪細胞の形成に必要な脂肪酸からできるプロスタノイド類の役割について研究しています。その中で、脂肪酸の燃焼を促進する物質を見い出すとともに緑茶成分のカテキン類のガロカテキンガレートが動脈硬化や高血圧予防に役立つ可能性を示しました。

QOL

  • 毛母前駆細胞の動態の検討、毛周期に伴う毛母前駆細胞と毛乳頭細胞の活性変化をシミュレートするモデルの構築を行いました。

胎児・新生児・小児疾患の早期診断および治療

  • キアリー奇形、先天性横隔膜ヘルニアなどを胎児の段階で診断し治療するための正常値の範囲などの指標を作ることを目的として、胎児の測定データの集積と数理モデルの作成を行い、原案を作成しました。
  • タンデムマス(質量分析計の一種)による脂質代謝異常Fabry病の診断法を確立しました。

脳活動の解析

  • 頭を開いたラットに色素を加えて光(発光ダイオード)をあて、反射する光を調べることによって、大脳の膜電位を測定する方法で大脳皮質の活動を測定しています。 測定結果には心臓の拍動による大脳の動きが真の脳活動以外の要因として反映されます。 この心拍動に起因するアーティファクトをソフトウェアを用いて大幅に減少することに成功しました。

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  • GABA(γ-アミノ酪酸)富化米の特定温室栽培を実施し、GABAが可食部に蓄積すること、また、GABA富化米を添加した餌を与えたラットでの血圧上昇抑制作用を確認しました。
  • ヒノキ針葉精油モノテルペンの自律神経機能調整作用を確認しました。
  • 緑茶カテキンによる記憶・学習機能向上効果と認知症予防効果、海産物由来プラズマローゲンによる認知機能改善効果、沖縄産柑橘類由来物質による抗認知症作用、高齢者の認知機能低下への魚摂取量増加による抑制効果を明らかにしました。
  • 出雲そばの薬味として使われる野生ハマダイコンの優良選抜系統種子を用いて試験栽培を開始しました。