地域資源循環型社会の構築-持続可能で活力ある地域社会の目指して-

概要

地域資源循環型社会の構築プロジェクトとは?

   森林・農地・水域が一体に連なった島根県は、食料生産と水資源の涵養など、大気・水・土壌資源の適正管理・修復とそれらに関連した技術開発と産業振興を先導していく適地です。これまで島根大学は、島根県、松江市、雲南市、国土交通省などとの包括協定に基づき地域の智の拠点としてその存在意義を示してきました。私たちは今、少子高齢化や中山間地域問題をはじめとして確実に到来する地域社会の存立危機に対処するために、地域の自立を担保する地域資源循環型社会の構築を目指しています。地域環境を管理修復し、地域資源を活用することで、環境を保全しつつ食糧の生産環境や社会・経済基盤を整えた、豊かで調和した地域社会の創造を目標としています。

研究内容

  以下の5つのサブグループに分けて最終年度のプロジェクトを進めています。なお,地域の健全な営農や水環境に重要である水利施設の機能保全を実現する施設機能保全グループは,本年度はJST教育事業に特化しました。
A.汽水域資源:宍道湖や中海など都市周辺汽水域における生物資源の持続的利用を目的として,水産資源バンクによる管理評価体制の確立を目指しています。
B.流域統合管理:流域環境資源の保全と汚濁負荷の軽減を目的として,流域内の環境負荷物質の動態調査やデーターベース化・モデル解析を通して、流域統合管理手法の開発を目指しています。
C.水環境修復技術:汎用無機素材,産業副産物,地域未利用資源を利用し,組成変換技術により環境浄化・修復および有用資源回収に資する高機能性・多機能無機材料を開発する。   また,既に回収に成功しているリン資源について,環境調和G・バイオマスGと協働して施肥効果等を評価し,資源回収・再資源化システムの構築を目指しています。
D.バイオマス:下水汚泥や底質など未利用有機質資源からの炭化水素の抽出と実用化のための実証試験を進めています。また,地域バイオマスの種類・量に応じた利活用技術(肥料化や土壌資材への転換手法)の確立およびシステムの開発とその事業化を目指しています。
E..環境調和・地域特産農産物:再生・回収資源肥料を活用した省力的で環境負荷の少ない地域特産農産物の栽培法の検討および地域景観植物資源を活用した環境アメニティの成果創出を目指しています。

研究成果活用

   ⇒⇒【Shimane Sustainable Region の構築を可能にする科学技術開発】
 農商工連携,地域資源活用による循環型社会の構築が,温暖化問題や環境の適合管理について従来社会モデルよりも有利であるという具体的成果を上げ,「地域資源循環型社会がグローバル化社会と共存するひとつの社会モデルとなりうること」を,理化学データを元に証明し島根大学から発信します。

研究者紹介(H22年度)

プロジェクトリーダー 野中 資博 (生物資源科学部・教授)

荒西 太士(汽水域研究センター・教授) 堀之内 正博(汽水域研究センター・准教授)
横尾 俊博(プロジェクト研究推進機構・研究員)    

 

森 也寸志(生物資源科学部・准教授)  武田 育郎(生物資源科学部・教授)


佐藤 利夫(生物資源科学部・教授)    桑原 智之(生物資源科学部・助教)


石賀 裕明(総合理工学部・教授)   増永 二之(生物資源科学部・教授)
三瓶 良和(総合理工学部・教授)   松本 真悟(生物資源科学部・准教授)
佐藤 邦明(生物資源科学部・助教)   春日 純子(プロジェクト研究推進機構・研究員)


板村 裕之(生物資源科学部・教授)  小林 伸雄(生物資源科学部・教授)
江角 智也(生物資源科学部・准教授) 水田 大輝(プロジェクト研究推進機構・研究員)

連絡先

  野中 資博   TEL  0852-32-6555   E-mail nonakat@life.shimane-u.ac.jp 
*迷惑メール防止のため、@を全角で表記しています。