ヒト後期発生段階における脳・臓器の調和的な組織形成の数理科学的解明

概要

 生活習慣病等の素因に関わる脳や内蔵ができる過程に潜む調和的関係を数理解析により解明し、疾病の予知予防につなげます。

研究内容・成果活用

 人口の高齢化に伴い、生活習慣病など複雑な成因と病理発過程によるものが疾病の主体となっています。その予防には、生活習慣の改善に加えて、胎生後期から生後初期に全身の臓器ができる過程の解明が重要です。普段の生活の中で、私たちは臓器の機能の一部しか使っていませんが、高齢に至り臓器が持っている「余裕」を使い果たしてしまうと、臓器機能の障害が起こって疾病が現れます。そして、臓器ができあがる「組織形成過程」のあいだに、全身の臓器の大きさと機能に大きな個人差が生じ、こうしてできた各臓器の予備能力、つまり「余裕」の大きさも個人差が、将来の生活習慣病の「素因」「なり易さ」に関わると考えられるのです。
 本研究プロジェクトでは、医学と数理科学の研究者が連携し、ヒトの脳や内臓ができる過程にどのような「調和」したメカニズムが隠されているのか、発生現象の複雑性を数理科学的に解明して総合的な基準を得て、生活習慣病等の予知・予防や再生医療技術に活用する。

   図 肝・胆・膵の成長スタンダード曲線(左)         ヒト胎児臓器のMRI立体再構築画像(右)

 

 

研究者紹介

プロジェクトリーダー  大谷 浩 (医学部・教授)
 宇田川 潤 (医学部・准教授)   内藤 寛太 (総合理工学部・准教授)
 中西 敏浩 (総合理工学部・教授)  杉江 実郎 (総合理工学部・教授)
 服部 泰直 (総合理工学部・教授)   橋本 龍樹 (医学部・助教) 
 松本 暁洋 (医学部・助教)  下崎 俊介 (プロジェクト研究推進機構・研究員)
 山田真紀子 (医学系研究博士課程・学生)  小野 篤輝  (医学系研究博士課程・学生) 
 河本 舞   (医学系研究博士課程・学生)  井上 隆之 (医学系研究博士課程・学生)
 Esrat Jahan (医学系研究博士課程・学生)  Ashiqu M Rafiq (医学系研究博士課程・学生) 

 

連絡先

大谷 浩   TEL  0853-20-2101 E-mail  hotani@med.shimane-u.ac.jp
*迷惑メール防止のため、@を全角で表記しています。